ドナドナドナ〜ド〜ナ〜 な一日は突然始まった。 私は絶好調で凍った牛のウンチ frozen pizza(ミッショんバンクーバー1を参照)を一輪車に乗せていく。いつもじゃれてくるメス牛のクリスタルを適当にヘッドロックとかして一輪車を倒されないように、柵の中の牛のウンチを片付けていく。
牧場フォークの使い方も絶妙で、Nancyも私のフォーク使いには一目置いていた?はず?である。(たまにほめられてたし)今日も気楽な気持ちで働くつもりだった。
しかし今日は日曜日!いつもよりも緊迫している。なぜならイートンズが休みでROSSが牧場にいるからだ。ROSSは家にいるときは非常に寡黙で、たまに二コリと笑う牧場のいいかんじの親父さんだが、幸か不幸か牧場に立つと人格が180度かわる。
本日Rossはいつもより増して激しかったピリピリしていた。
Nancyはウンコとりのフォークと餌さやりのフォークをめんどくさかったのか、同じ物を使ってRossにガミガミ怒られていた。
「うーん今日はピリピリしてますな!」 と思いながら僕は黙々と仕事を進める。
餌さやりと清掃を3人で終わって家に帰ろうかと思っていると、いきなり、ナンシーから、
「実は本日生後1年の子雄牛を2匹食肉業者に売る。」と伝えられた。多少動揺が私の中に起こったが、それならということで、食肉業者のトラックがくるまで、牛を乗せる準備をはじめる。
(あとで分かったことなのだが基本的に優秀な牛はなかなか食肉業者には売られない。なぜならいい血統を保つ為子供をたくさん生ませる為である。BULL(雄牛)はその点、種をつけるだけだし気性も荒いし世話もしづらいので生存競争率が激しい。よほどいい素質がないと食肉工場行きである。)
やがて食肉業者のトラックが来て、我々3人がトラックに牛を追い込む。隣の柵にいる母牛達が大抗議を行う。モーモーと分かってるかのように、うるさく泣き喚く。(ナンシー曰く、母牛達は子牛が連れて行かれると1日中泣き喚くということである。) それをBGMにトラックに向かってじりじりと追い込むのだが、我々の手の間をするりと抜けてなかなかトラックの方に行かない。子牛といっても1年ちょっとたっているので、非常に大きく私の胸の下くらいまでの高さがある。母牛も泣き叫ぶので、興奮して雄牛2頭はロデオ牛の状態になっており、するどい蹴りとかいれてくる。当たったら骨くらいおれそうな鋭さだ。まあ命がかかっているので向こうも必死。(この子牛達には、他のメス牛にある名札のNAME TAGが付いていない。生まれた時からすでにこういう運命を決められたのかもしれない。)
何度TRYしてもなかなかこの2匹捕らえられない。食肉業者のトラックのおじさんはゲートを持ってまだかと待ってる。Rossがだんだんいらいらしてきている。なんや牛にか我々にか怒鳴っている! NANCYがGRAIN((コーンとかの穀物)で牛にHAY(乾燥牧草)と一緒に牛に餌さとして与えるのだが、GRAINは牛の大好物!)を牛を呼ぶためにトラックまでばらまきはじめたのだが、それを見てROSSはもっと怒ってしまう。COWBOYにとっては、餌さでだましてトラックに載せるのは邪道と考えてるようだ。COWBOYとしてのプライドが許さないらしい。怒られてNANCYも逆キレの状態で、私も両親が喧嘩してるようでさみしい。
結局雄牛達も自分の将来が分かるのか餌さを食べに行かない。
結局30分くらい追いまわってやっとトラックに2頭の牛がトラックに乗り込んだ。零下なのに汗びっしょりで防寒の作業服の下は汗だくだ。3人ともフラフラ。ROSSは相当いらいら来たらしく、僕とNANCYに
「YOU TWO GO HOME!」と追い返した。 NANCYは気にして
「いつも牧場でるとああだからごめんね。」と私に言った。 しばらくして、 ROSSも落ち着いたらしく家に戻ってきた。すると、もうすっかりやさしい親父にもどっていた。
「なんか日本の職人さんのようにプロ意識が強いんだろうか?」 とこの変わりようを見て思ってしまう。
NANCYがROSSに子牛が殺されるので悲しいと、ROSSに言っていた。 ROSSはそんなふうに考えてたら俺達暮らしていけないよ。」と言っていた。
「キリスト教は牛は神がつくったものだから、家畜は殺して当たり前だ。」という考えが強いと勝手に思っていたが、こういう風に考えてしまうクリスチャンもやっぱいるんだなあ。となんか共感してしまう。(まあ ベジタリアン人口も結構多いですしね!)
夕方になった。餌さと柵内の掃除にいったらまだ母牛は鳴いていた。今からずっと泣くのだろう! 掃除するとき僕の一番好きなクリスタルに「お前は牛肉にはなるなよ。」と告げた。
(あとでNANCYに聞いた話だが、乳牛も最終的にはDOGFOODになる確立が高いという!)
そして、DINNERになった。 なんとオーブンから出てきたものは T-BONE STEAK
「こら! NANCYいいかげんにしろ! 今日はだけはやめてくれ!せめてPORKにしろ!」と言いたかったが、そういう権利は私には無かった。
空腹には勝てず、日々練習してる(大きさは違うが)鋭いフォークとナイフさばきで! やっぱりSTEAKを食べてしまう僕!ステーキの味は最高だった。(余談ですが、私は日本のMARBLE(霜降り牛)よか、カナダとかアメリカ牛肉の肉って感じの食感が好きです。) まあスーパーのだったからDINNERで食べれたけど! アルバータとかの牧場では牧場で撃って親戚友達みんなででBBQパーティとかがあるらしいのでそれだったらつらかったと思う!





















